海外の歯列矯正事情について
歯並びに対する意識は、各国のお国柄や文化的背景の影響で大きく異なります。日本ではイレギュラーな歯並びをさほど問題視しない考え方がありますが、アメリカは歯並びへの意識は非常に高いです。ヨーロッパではアメリカの歯並びへのこだわりを揶揄する傾向にあり、南米では上の前歯にすき間があると幸福をもたらすと考えられたりもしています。
歯列矯正に積極的なアメリカの現状
世界を見渡しても歯列矯正による矯正治療に積極的なのは、アメリカです。中流以上の経済力のある家庭では、ほぼすべての子どもが成人するまでに矯正治療を終えてしまうというほどです。歯並びがきれいなのは、口臭を嫌う国民性も反映されているようで、歯磨きの正しい方法やデンタルフロスの使用などもアメリカの家庭では入念に子どもに教えるそうです。
アメリカでことほど左様に、歯並びや口腔ケアに熱心なのは、コミュニケーションのありかたが影響しているかもしれません。アメリカではコミュニケーションをとる際、ボディランゲージを多用します。ボディランゲージでは、笑顔で歯を見せながら身振り手振りをするので、当然きれいな歯並びが重要視されるわけです。
この点、日本文化では口元を押さえて歯を見せないで笑顔をしめすことが美しいとされます。このあたりの事情は男性でも同様で歯を見せて笑うことは、作法から好ましくないと考えられています。またアメリカでは他人と頬と頬をあわせるという文化もあります。密接な接触なので当然歯並びや口臭などに敏感になることから、歯列矯正はもちろん、体臭や口臭に気をつけてマウスウォッシュや香水などが普及したと見られています。
これに対して日本では他人との間に一定の距離をもつことがコミュニケーションで望ましいと考えられてきました。このように日本とアメリカではコミュニケーションの文化の違いが反映して、歯列矯正への意識に大きな違いがあるようです。もっとも、最近ではインターネットの普及で海外の歯並びの意識を知ることができるようになり、矯正治療できれいな歯並びを手に入れるニーズは高まりを見せています。
ヨーロッパやその他の国での歯科事情
海外での歯並びの捉え方の事情をみると、日本の歯並びへの寛容な意識は例外的で、大半の国ではきれいな歯並びへの意識が高い傾向が見受けられます。意識の違いは医療制度にも反映されており、日本国内では保険適用外の自由診療になり、費用も100万円前後、もしくはそれ以上ということも珍しくありません。
これに引き換え海外では、より少ない負担で治療を受けることができることが多いようです。そこで海外の歯列矯正の治療コストをピックアップして御紹介します。
まずアメリカですが、医療保険が効くのは確かです。しかし日本と異なり民間の医療保険に加入するので、給付条件は会社により異なります。子どもが生まれたら将来に備えて保険会社に加入して積立をするということになります。ゆりかごから墓場まで、という言葉に象徴されるように公的保険が整備されているイギリスでは、矯正治療は18歳以下で医師が必要と判断すれば公的医療保険の適用を受けて治療でき治療費は無料です。
ただし治療開始までは順番待ちで、19歳を超えると全額自己負担になるそう。お隣の韓国は、歯並びへの意識が高いので矯正治療のニーズが高く、日本に比較して安価な50万円程で矯正治療を受けることができるようです。
日本国内で歯列矯正のためのクリニックの探し方
従来の国民意識は近年、大きく変化し日本国内にあってもアメリカをはじめとした欧米諸国と同様に、歯列矯正を行い歯並びを直したいとのニーズが高まりを見せています。しかし治療法にはワイヤーを装着する従来の方法から、マウスピース上のブラケットを装着する方法なども登場しており、どの治療法を選択すればよいのかが問題です。
また自由診療のため相応の治療費が必要なことから、失敗しないためにはクリニック選びが重要です。それでは通いやすい歯列矯正クリニックは、どの点に着目して選べばいいのでしょうか。定期的に通院することになるので、交通アクセスが良好なことが重要です。さらに歯並びの状況に応じて最適の治療を選択する必要があるので、専門医であれば短期間で効果もみこめます。そこで歯列矯正の実績数が多く、最新技術を備えた経験豊富なクリニックが最適ということができます。
日本では歯並びが多少悪くても、寛容する文化が根強く存在します。八重歯を珍重するというのはその一例ですが、アメリカを始めとした海外では様相が異なり、歯並びの問題には積極的に向き合う傾向があります。
このような違いは、コミュニケーションのとり方を初めとした異なる文化に起因するようです。そのため海外では日本に比べて少ない費用負担で矯正治療を受けることができることが多いようです。とはいえ日本でも欧米文化の影響で歯列矯正のニーズは高まりつつあります。