裏側矯正に使う装置の種類
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)に矯正装置を取り付けて歯並びを整えていく治療法で、舌側矯正やリンガル矯正とも呼ばれます。裏側に装着するため、口を開けても目立ちにくいのが特徴です。一口に裏側矯正といってもいくつか種類があります。ここでは矯正装置の種類と特徴について解説します。東京で裏側矯正をお考えの方は参考にしてください。
代表的な装置「カーツリンガル」
カーツリンガルは、裏側矯正の代表的なものです。現在主流となっている裏側矯正の装置のはじまりといってもよいでしょう。90年代当時はカーツリンガルがよく使用されていましたが、装置が厚いため装着すると舌に当たる・発音がしにくいとったデメリットがありました。
しかし、2021年現在では改よされた第7世代のリンガルが使用されています。厚みも当時に比べると抑えられ、ワイヤーの装着もしやすくなりました。使用されてきた歴史が長いこともあり、その分対応してきた症例も多いことから信頼性が高いのも魅力です。カーツリンガルは、かみ合わせが深くなっている過蓋咬合(かがいこうごう)、ディープバイトに向いています。
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯に被っているような状態です。深く噛み合うことで、歯茎を傷つけて炎症を起こす場合があります。過蓋咬合の原因は、歯が抜けたのを放っておいた、もともとの骨格に問題がある、などです。噛み合わせや歪みが大きい場合でも使用できるのがカーツリンガルといえるでしょう。しかし、いくら幅広い症例にカーツリンガルが向いているといっても、装置の装着は歯科医師が行います。
東京でカーツリンガルを使った矯正を行うときは、医師の腕に信頼がおける歯科医院をしっかりと検討しましょう。また、歯科医院によってはカーツリンガルを採用していないところもありますので、カーツリンガルを希望する場合は装置についても調べておきましょう。
カスタムメイドな装置「インコグニト」
インコグニトは、患者一人ひとりに合わせたカスタムメイドな装置です。コンピューターで歯並びをスキャンしてからブラケット(固定器具)の位置を決めるため、適切な力が加わるように装着できます。そのため、治療期間の短縮につながるのがメリットです。また、ワイヤー矯正では医師がワイヤーを曲げながら器具を装着していましたが、インコグニトはスキャンしたデータをもとに、コンピューターがワイヤーも曲げてくれます。
歯並びが整うまでの時間だけでなく、装着にかかる時間も短縮されているのです。インコグニトは裏側矯正のデメリットでもあった装着時の違和感や舌に当たる感覚を抑えるため、できる限り薄くなるように設計されています。口の中で幅を取らないため、発音のしにくさも軽減されています。
また、ブラケットをピカピカに磨き上げるため舌に当たっても気になりません。メリットの多いインコグニトですが、1つ欠点を上げるなら「装置ができ上がるまでに時間がかかる」ことです。これは、インコグニトの作成工場がドイツにあるため。
日本でスキャンしたデータはドイツの工場に送られ、そこで患者に合わせたブラケットやワイヤーが作られます。その後、改めて日本へ送られてくるため、早く治療を開始したいと思っても、1ヶ月ほどは待つ必要があります。インコグニトでの治療を希望している方は、早めに東京で対応している歯科医院を探すとよいでしょう。
弱い力でも歯が動く「クリッピーL」
クリッピーLの特徴は、固定するブラケットに設けられたシャッター構造です。これをセルフライゲーションといいます。従来は、ワイヤーとブラケットを固定するためにゴムを使っていましたが、それが不要になりました。装置を交換する際も、シャッターを開けて外せばいいので治療時の受信時間が短縮されます。ワイヤーをゴムなどで固定しないため、ワイヤーと固定具の間に摩擦が起きにくくなっているのが特徴です。
従来の方法では、どうしても隣の歯を固定する力が影響していたものが、摩擦が減ることで影響が少なくなります。そのため、歯を動かすために必要な力も少なくて済み、弱い力でも歯が動かせるのがメリットです。その分痛みも少ないといわれています。
歯一本一本に適切に力が加わることで、治療期間が短縮されたのも特徴といえるでしょう。また、クリッピーLも登場した当時に比べて、装置が薄くなりました。そのため、違和感も軽減されています。装着のしやすさ、痛みの少なさ、効率的な歯の移動と、メリットの多い矯正方法です。
デメリットとしては、シャッター構造を持っているがゆえに従来の結紮によって固定していた装置に比べると、ワイヤーが外れやすい点があげられます。治療前には、歯科医師から伝えられる注意事項を守るようにしてください。万が一の事を考えて外れてしまったときにすぐに通える東京の歯科医院を押さえておくといいでしょう。
裏側矯正の装置の種類について紹介しました。ご紹介した3種類以外にも、さまざまな種類があります。東京にはたくさんの矯正歯科がありますので、評判や実績の他にどの装置を使っているかも合わせて確認しておくとよいでしょう。それぞれにメリット・デメリットがあります。カウンセリングなどで納得のうえで治療を開始するようにしてください。